それは危険なラブミッション

◇◇◇

「おはようございま……す……?」


元気のいい出だしの挨拶が尻つぼみに終わる。
店に出勤してきた麻緒ちゃんは目を点にした。

というのも、開店もまだだというのに、従業員以外の人物がいたからだ。


「お邪魔してるよ」


岬さんが爽やかな笑顔で軽く手を上げる。


「どうも……」


麻緒ちゃんはピョコっと頭を下げてそれに答えると、荷物を置くために店の奥へと消えた。
朝早くから二人で何をしてるんだろうと不審に思われたみたいだ。

続いて出勤してきた達哉くんも、麻緒ちゃんと同じような反応だった。


「どっちがいいかなぁ」


ウォーターヒヤシンスとバンブー。
二つのソファを前にして、岬さんが腕組みで悩む。

< 356 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop