それは危険なラブミッション
◇◇◇
「おはようございま……す……?」
元気のいい出だしの挨拶が尻つぼみに終わる。
店に出勤してきた麻緒ちゃんは目を点にした。
というのも、開店もまだだというのに、従業員以外の人物がいたからだ。
「お邪魔してるよ」
岬さんが爽やかな笑顔で軽く手を上げる。
「どうも……」
麻緒ちゃんはピョコっと頭を下げてそれに答えると、荷物を置くために店の奥へと消えた。
朝早くから二人で何をしてるんだろうと不審に思われたみたいだ。
続いて出勤してきた達哉くんも、麻緒ちゃんと同じような反応だった。
「どっちがいいかなぁ」
ウォーターヒヤシンスとバンブー。
二つのソファを前にして、岬さんが腕組みで悩む。