それは危険なラブミッション
「難しく考える必要はないだろう。とりあえずは岬碧衣に近づくことからだ」
岬碧衣に近づく……。
その場面を妄想しようと試みたものの、全く膨らんではくれないのだった。
「何を着て行ったらいいんですか?」
次なる心配が浮かび上がる。
セレブの集まるパーティなんて行ったこともない。
パーティといったら、友達の結婚披露宴くらいだ。
「それなら心配はいらない」
そう言うと、再び西さんを呼ぶ。
西さんは、アタッシュケースの他に持ってきた大きな紙袋を東城寺ルイへ差し出した。
その中から取り出された洋服に目を見張る。
胸元のカシュクールデザインと袖口にはドレープフリルがさり気ないゴージャス感を出した、光沢のあるピンク色の膝丈ワンピース。
更には、ストラップ付きのピンヒールまで入っていた。