それは危険なラブミッション
「長い付き合いになりそうだからな、莉夏」
「――っ」
私のことまで呼び捨てにする気らしい。
東城寺ルイは、私との間合いを一歩詰めると、私の顎の下に人差し指を添え、「今週末、楽しみにしているぞ」と不敵な笑みを浮かべた。
「当日は、ここへ西を迎えによこそう」
「えっ、それって、まさかリムジンで?」
「リムジンでは不満か」
「違います。自分で行けますから大丈夫です」
そんな身分不相応な車に乗るのははばかられる。
「逃げられては困るからな」
「――逃げるなんてことしません」
一度自分で決めたことだ。
今更やめるつもりはない。
「そうか」
クククと笑う。
嫌な笑いだ。