それは危険なラブミッション
パーティ慣れしているわけでもなく、身分に見合った場所でもない。
完全な部外者だと言ってもいい私に、居場所があるはずもない。
目の前に広がる景色の中に、透明な壁でもあるかのような疎外感。
入口に立ち尽くしたまま、足がすくんでしまった。
岬碧衣の姿を探すどころじゃなかった。
……ひとまず退散しよう。
という結論に至った私。
逃げるわけじゃない。
ちょっと作戦会議だ。
言い訳をこじつけて、入ってきたドアから一旦出ることにした。
見送ったばかりの私がすぐに出てきたものだから、ベルボーイが一瞬だけ目を見張る。
私のことを会場を間違えた客だとでも思っているかもしれない。
愛想笑いで足早に通り過ぎる。
トイレにでも行こう。
案内表示に従って歩いているときだった。
「莉夏」
背中から名前を呼ばれて足を止める。
この声は、もしかして……
振り返った先には、予想通りの東城寺ルイが立っていた。