それは危険なラブミッション
「受け取っていただかないと困ります。東城寺さんにそこまでしていただくつもりはありません」
「“ルイ”でいい、敬語もなしだと言ったはずだが」
「え?」
突然、論点のずれてしまった返答に目を見開く。
「莉夏は物忘れが激しいようだな」
「――っ」
ひどすぎる言われようだ。
クククと笑う東城寺ルイを睨みつける。
「今はその話じゃなくて、このことです」
なかなか手を出そうとしない封筒を突き出す。
「それは受け取らない。必要経費だと言っただろう」
「東城寺さんにははした金でも、私には大金です」
「“東城寺さん”?」