それは危険なラブミッション

東城寺ホテルにケープホテル。
そんな人たちが集まる場なら、きっと縁談の進んでいるホテル雅の人間も来ているに違いない。

ということは、鳥居さんの父親だって。
大切な婿殿が消えて心配しているかもしれない。

そうこうしているうちに、部屋のチャイムが鳴らされた。


「思ったよりも早かったな」


そう呟きながら岬さんがドアへと向かう。

一体誰が登場するのか。
ほんの少しの緊張と待っていたものの、岬さんは誰も連れては来なかったのだった。
その代わり、手には洋服らしきものを携えていた。


「すぐにこれに着替えて」

「……はい?」

「クリーニングに出そう。2時間もあれば仕上がるから、それまでの間、これを」

「……はい?」


二度も同じ返事をしてしまう私。


「どうぞ」


笑顔を崩さない岬さん。


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