それは危険なラブミッション
「そうなんだよね?」
夕菜に問われて、頷く以外に答えはなかった。
「今回のことで、莉夏の一番の目的は何?」
「……目的? お店を守ること、かな」
「達成すべき目的があるなら、それに向かって進むしかないんじゃない?」
「……そう……だよね」
「余計なことに気を取られず、お店を守ることを第一に」
「……うん」
夕菜の言葉を噛みしめてから頷く。
そうだった。
そのために東城寺ルイの提案に乗ったのだから。
大事なことを忘れるところだった。
「ありがとう、夕菜」
「いーえ、どういたしまして。さてと、閉店の準備しなくちゃ、マスターに怒られちゃう」
立ち上がりかけた夕菜の腕をむんずと掴む。