それは危険なラブミッション
「……どうしたの?」
「もう一つ相談が……」
「え?」
夕菜が目を見開いた。
仕方ないという感じに、もう一度座る。
「次はどうしたらいい?」
「次って?」
「とりあえずは知り合えたでしょう? その後」
他の女性との結婚が待っている相手だ。
そう簡単にことが運ぶはずがないのは、考えなくたって分かる。
そんな相手を前にして、恋愛下手の私では対処方法を思いつくわけがない。
「そんなことは自分で考えなさいと言いたいところだけど、最後の彼氏が大学生のときの莉夏には酷だろうから」
「……よくお分かりで」
ちょっとストレートすぎる気がしなくはないけれど、さすがは夕菜だ。
「おーい、夕菜、いつまでおしゃべりしてるつもりだ。時給下げるぞ?」
そこへマスターから声がかかる。