それは危険なラブミッション
◇◇◇
慣れないパーティに、夕菜の手ほどき。
どっと疲れて、重い足取りのまま夜の街を歩く。
とりあえず知り合うという第一関門は突破したからよしとして、問題は“手ほどき”の方だ。
夕菜から伝授されたことを思い返しては不安が押し寄せる。
私もつくづく往生際が悪い。
決めたからにはやるしかないのだけれど……。
……あれ? あの車……。
角を曲がって店が見えるところまで来たところで、ふと足を止めた。
見間違えることの決してない、その圧倒的な存在感。
黒塗りのリムジンが停まっていたのだ。
歩行速度を変えないで近づく。
私に気付くと、運転席から素早く降り立った西さんは後部座席のドアを開けた。
中から東城寺ルイが悠然と登場。
「なかなか上首尾じゃないか」
上首尾って……。
ルイがニヒルな笑みを浮かべる。