それは危険なラブミッション

「わざとじゃないの」

「そうなのか? 俺はてっきりそういう手を使ったのかと思ったよ」


……まぁこの際、どちらでもいいのだけれど。


「ともかく、今夜は疲れただろう。送って行くから乗れ」


乗れって……。
どうして命令形。


「一人で帰れるから大丈夫よ」


それに店を見るために寄ったのだから。


「店が気になるというのなら、ここで待っているから行ってくるといい。じゃ」

「えっ……ちょ、ちょっと!」


呼び止める間もなく、ルイはリムジンに乗り込んでしまった。
西さんも仰々しく頭を下げ


「御用がありましたら、いつでもお声をどうぞ」


運転席の扉を閉めた。

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