それは危険なラブミッション
「まぁいい。ともかく乗れ」
言い方が気になったものの、言われるままに乗り込んだ。
中は想像よりも遥かに広い空間だった。
サロンカーのように、座席は横向き。
シートは当然のことながら高級レザー、足元は靴で乗るのが忍びないほどに綺麗な絨毯が敷かれていた。
「何を固まっている」
「……こんなすごい車に乗るのは初めてで」
乗り込んだはいいものの中腰の体勢のまま固まっている私に、ルイの手が伸びる。
「……え?」
その手をどうしろと?
更に固まっていると、面倒臭そうに顔をしかめて強引に私の手を取った。
エスコートということならば、岬さんのように優しくできないものなのか。
憮然として、ルイの隣にストンと腰を下ろす。
見た目ばかりじゃなく、座り心地もまた格別だ。
硬すぎることも、柔らかすぎることもないシート。