それは危険なラブミッション
「早速プレゼントをさせるとは、莉夏もなかなかやるな」
「これは、そういうわけじゃないの。ドレスをワインで汚しちゃったから、クリーニングに出している間、借りてたの」
「……なるほど。それで何時間も二人で戻らなかったというわけか。俺はてっきり、」
「だから、違うってば」
ルイの言葉を遮った。
いくら店を守るためとはいえ、知り合ったばかりの男の人と身体の関係を持つのは無理だ。
私も、そこまでは捨て身になれない。
だいたい、それでは、岬さんにただの尻軽女だと思われるのがオチだ。
それでは、ルイの提案を完遂することなんてできない。
慎重にいかなくてはならないのだ。
「そうだ。肝心なことを忘れるところだった」
そう言いながらルイが胸ポケットから取り出したのは、スマートフォンだった。
「これを常に携帯すること」
ルイがそのまま私に突き出す。