それは危険なラブミッション

「名刺交換したんだろう? 直接連絡を取ったらいいじゃないか」

「そうだけど……」


いきなり電話して、何を話したらいいのか。
用事があるわけではないし。


「まぁ、たいていはケープホテルの本社ビルにいるんじゃないか」

「それってどこにあるの?」

「名刺に書いてあると思うが?」

「――あ」


そうか。
そうよね。
ルイの顔を見て目を瞬かせていると、ルイは堪えきれないという様子で吹き出した。


「……何?」

「いや、鳩が豆鉄砲を食らったような顔というものを初めて見たから」

「……何よ、それ」


顔をしかめた私の反応を見て、更にクククと笑う。
何だか思い切りバカにされた気分だ。

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