それは危険なラブミッション

ルイから顔をそむけたところで、車が静かに停車した。

窓の外を見てみると、そこには見慣れた建物。
私の住むアパートが見えた。


「莉夏様、到着致しました」


運転席と後部座席との間仕切りが下がり、西さんが顔を覗かせる。


「ありがとうございます。あ、西さん、大丈夫ですよ」


運転席から降りようとした西さんを急いで引き留める。


「そうですか?」

「はい、大丈夫です。送っていただいてありがとうございました。ルイもおやすみ」


ドアを開けて、片足を地に着けながら振り返ると


「俺はついでか」


ルイは片肘をシートのヘリに突いた状態で眉を潜めた。

< 96 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop