遥か~新選組桜華伝~
序章 桜舞う日の記憶
「うわぁ……。
きれぃ……!」
小さな手のなかで、桜色の輝きを放つ石。
「その石はね、桜華石って言うんだよ」
「おうか…せき?」
「そう、桜華石」
桜が舞い散る大きな木の下。
浴衣を着た金髪のお兄さんは、私の横にしゃがんで、輝く石を見つめていた。
優しげな表情に淡い桜色の瞳。
出会ったばかりなのに
どこか懐かしさを感じさせる、不思議な人……
「桜華石にはね、3つの不思議な力があるんだよ」
「どんなちから?」
「それはね……」
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