遥か~新選組桜華伝~
けれど……。
私の面倒ばかり見てたら、沖田さんが宴を楽しめなくなっちゃう。
遥空の件で、休みも返上して働いてくれてるんだもん…。
「私のことは大丈夫です!沖田さんも今日は楽しんでください。
私…こう見えて、酔っぱらいの相手は慣れてますから」
お父さんを思い浮かべながら、へへっと笑って見せる。
けれど冗談ぽく言った私に対して…沖田さんは両手で私の手を包み込み、ますます顔を近づけてくる。
お、沖田さん…!?
おでことおでこがくっつきそうなくらいの距離で見つめられて…
胸がドキドキと音を立て始めた。
「あの…」
「ダメです。もし遥さんが他の人に手を出されたりしたら…僕は堪えられないと思います」
そう言って、沖田さんは重ねた手をギュッと握ると…
「お願いです。今日は僕の傍にいてください…」
切なげな表情で言ったんだもん…。
「……っ」
かぁあ//と顔が一気に熱くなっていくのを感じる。