遥か~新選組桜華伝~


端に座る沖田さんの方を見るも、別の隊士達が楽しそうに話しかけていて…。


どうしよう……。


その場に立ち尽くしていると、原田さんが目で何か合図している。


あっ…そういうことか。


原田さんが呼んでくれた席の反対隣は斎藤さんだった。


原田さん…。


私が斎藤さんと話せるように気遣ってくれてるんだ…。


沖田さんにひとこと言ってから…と思ったけど。


沖田さんは隊士から引っ張りだこで、話しかけれる雰囲気ではない。


ちょっとくらいならいいよね…?


私は好意に甘え、原田さん達のところに行くことにした。


私の背中を不安げに見つめる沖田さんの視線に気づくこともなく……。


「よーし!遥も来たことだし、飲むぞー!」


永倉さんの音頭でみんながお酒を飲み、話に花を咲かせる。


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