遥か~新選組桜華伝~


「えーっ!?花見?」


はしゃぎ声が聞こえて振り返る。


「平助くんっ!」


名前を呼ぶと、平助くんは笑顔でかけ寄ってきた。


「なになに、はると総司花見行くのー?」


「えぇ。山崎さんのお遣いの後にですけどね」


沖田さんが答える。


「いいなー!俺も行きたい行きたいー!」


目を輝かせながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねる平助くん。


それを見て、近藤さんは目尻を下げる。


「お遣い手伝ってくれるなら、平助。おまえも行ってきていいぞ」


「やったー!ありがとう近藤さん!」


平助くんはきらっきらの笑顔でバンザイすると


「花見は大勢のほうが楽しいよな!
俺、非番の奴らに声かけてくるから!」


振り向きざまにそう言って、走って行ってしまった。


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