遥か~新選組桜華伝~


「響きが可愛くてはるにぴったりじゃん?」


「遥が可愛いのは認める。だが、どうして俺は″がむしん″なんだ?」


「”我武者羅”と”新八”を合わせてみた!
脳ミソ筋肉な新八さんっぽくない?」


人差し指を立ててケラケラと笑う平助くんに、永倉さんのほうからプツンと切れる音がした。


「脳ミソ筋肉だと?言ってくれるじゃねえか……」


黒い笑みを浮かべ、永倉さんは平助くんの胸ぐらを掴む。


それだけで小柄な平助くんの足は宙に浮いてしまう。


「じょ、冗談だって!
普通に新八さんって呼んでるだろ!」


青い顔で足をバタつかせる平助くん。


「だーめーだ!生意気な後輩の教育も先輩の仕事だ!」


「これ教育じゃなくて拷問っ…ぎゃああああ!」


平助くん……。

ご愁傷様です……。


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