遥か~新選組桜華伝~
煮物のお芋を口に運ぶ。
「んー美味しいっ」
思わず頬っぺたに手を当てると、井上さんがクスッと笑った。
「喜んでもらえて良かったです。
沢山あるのでどんどん食べてくださいね」
「はいっ」
井上さん、男の人なのに料理上手すぎるよ!
あとで煮物の作り方教えてもらおうっと!
お弁当を食べ終わると、平助くんが道中に買ったお団子やおはぎを風呂敷に広げる。
「お花見と言えば甘いものだろー!
みんなも食べて食べて!」
ニコニコ笑いながら、お団子を配る平助くん。
「はい、これがはるの分!」
「ありがとう!」
お礼を言って三色団子の串を受け取る。
「あとは総司の分……。
ってあいつどこ行ったんだ?」
いつの間にか、隣に座っていた沖田さんの姿がなくなっている。
「どこ行ったんだろ…?」