遥か~新選組桜華伝~
「お、沖田さん!
何してるんですか!」
私の食べかけなのに!
「味見に決まってますよ」
沖田さんは笑顔のままけろっと言い放った。
「味見って…沖田さんのお団子も同じじゃないですか!」
「そうでしたっけ?」
怒っても、沖田さんはとぼけたように笑うだけで。
絶対わかってたくせに……!
「もう!からかってるんですか?」
むうっと口を尖らせた。
「遥さんが可愛いからつい……。
すみません」
「……っ」
真っすぐに見つめられて、顔が火照っていく。
可愛いなんて言われたらさ、怒れなくなっちゃうじゃない。
「ずるいよ…沖田さんは」
「あれ?そんなに顔赤いのに。
嫌でしたか?」
クスクスとちょっぴり意地悪な笑顔の沖田さん。