遥か~新選組桜華伝~


「うおおおお!」


勢いよく斬りかかる浪士の刀を,、沖田さんは軽くかわす。


「……遅ぇよ」


冷たく言い放つと、沖田さんは刀を引き抜きながら、浪士の背後に回り込む。


ガキン──!!


一振りで、浪士の腕から刀を払い落とした。


「ひ…ひぃい…」


尻もちをつきながら後ずさる浪士の鼻先に、刀を突きつける。


「…今すぐ消えろ。でなければ殺す」


その恐ろしい声に、私まで体がゾクッとなった。


これが幕末の最強剣士…沖田総司の実力……。


「うわぁああああ!」


浪士は刀を拾うことも忘れ、一目散にその場を走り去っていく。


居合わせた人々も怯えた表情で、その様子を見つめていた。


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