遥か~新選組桜華伝~


「いたた……」


なんなのよ、急に……。


打ち付けられた肩を抑えながら、ゆっくりと体を起こす。


「ううぅ。寒い……」


信じられないほどの肌寒い風に身震いする。


おそるおそる辺りを見渡すと、すぐにその異変に気付いた。


室内にいたはずなのに私は外にいて。


夏だったはずなのに、藍色の空から降り積もる雪。


私のすぐ後ろには大きな木があって、その後ろに塀が続いている。


ここは…どこ…?


見える景色は、私の家の敷地でなければ道場でもない。


高い塀の手前には武家屋敷のようなものが建っている。


おかしい……。


まるで時代劇の中にいるみたいだよ……


「誰だ……!?」


………っ!?

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