遥か~新選組桜華伝~
これが、私の今の素直な気持ち。
遥空との契約で、ここに置いてもらってるだけの私が、そんなことを言うなんて。
土方さんからしたら、迷惑でしかないんだろうけど……。
「…ならば、ここにいればいい」
返ってきたのは、予想外の言葉だった。
「総司も近藤さんもみんなも、おまえに居てほしいと思ってる。
勿論、俺も」
土方さんは驚きもせずに言うと、私の肩に手を置いた。
「遥空の件がなくたって、おまえに何かあれば、新選組は命を懸けてでも守る。
勝手にいなくなったりしたら許さねえよ?」
口元が笑みをたたえるのが見えて、涙がこみ上げる。
てっきり…嫌がられると思ってた。
新選組にとって、私はお荷物でしかないから。