遥か~新選組桜華伝~


バタバタと近づいてくるいくつもの足音。


振り返った瞬間、体がゾクっとなった。


「え……」


私を取り囲んでいたのは、刀を手に持った男達。


袴姿にちょんまげの外見は、まるで武士だ。


な、なんなの

この侍みたいな人達……。


コスプレ?


「おい!そこで何をしている。
先程の強い光は貴様の仕業だろう?」


刀を向けながら、男はじりじりと詰め寄ってくる。


「強い…光?
私は何も知らな……」


「とぼけるな!
そんな怪しい恰好をしていながら、誤魔化そうとはいい度胸だな!」


ビュッ


風を切るような音をさせ、首元にあてられた刃先。


夜明かりに照らされて、ぎらりと光る。


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