遥か~新選組桜華伝~


彼らも沖田さんと同じ楽しそうな笑顔……。


「皆さん……!
お揃いでどうされたのですか?」


「実はね、今日ははるに渡したいものがあるんだ!」


そう言って、藤堂くんが奥の襖を開ける。


「じゃじゃーーん!」


掛け声とともに、見えたのは……


「着物?」


黄色をベースに淡い桜が彩られた生地に、真っ赤な帯。


華やかなデザインはまるで時代劇のお姫様のよう。


すごい……。


あまりの豪華さにあっけにとられていると、後ろから肩を叩かれた。


「すげーだろ?
昨日、俺らで選びに行ってきたんだぜ」


ニカッと白い歯を見せる永倉さん。


「……結局は一が、この着物にするって聞かなかったんだけど」


原田さんが斎藤さんを横目で睨む。


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