遥か~新選組桜華伝~
「いいだろ。はるに似合うのは、絶対これだから」
目を閉じながら、ひとり頷く一さん。
「ふふっ。一って、時々子供みたいに頑固ですよね」
沖田さんが頭を撫でようとすると
「やめろ。どうせ着ればわかることなんだ」
一さんは嫌そうに、その手を押し返す。
「まだ着てもいないのに、その自信とはね……」
沖田さんが怪しげに目を細め、顎に手を当てる。
「一、遥さんの着物姿を妄想してたんですか?」
「なっ!?」
「顔赤くなりましたね。図星でしたか」
「うるさい…!いいだろ別に」
真っ赤な顔の斎藤さんの肩に、笑顔のまま手を置く沖田さん。
皆さんすごく盛り上がっているけど……。
「この着物は…一体?」
「あぁ、それは土方さんからだよ」
「えっ!?」
ひ、土方さん……!?