遥か~新選組桜華伝~


原田さんの答えに、思わず一歩後ずさる。


「どうしたんですか、遥さん?」


「なんか顔色悪くないか?」


沖田さん、原田さんが次々と尋ねてくる。


「……や、やっぱり、頂けませんよ。こんな素敵な着物」


両手を前にして、首を横に振った。


だってだって!


土方さんが着物をくれるってことはさ……


襲われるってことでしょ!?


そんなの無理!死んじゃうよ!


「もう買ってきたもんだ。
男なら、ごちゃごちゃ言わずに着やがれっ!」


永倉さんにトンッと部屋に入れられると、外から襖を閉められる。


ちょ、ちょっと……!


「私…女子なんですけど……」


呟いても、部屋には私一人しかいない。


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