遥か~新選組桜華伝~
「すげぇー!美人じゃねえか」
「はるかわいいっ!武士の家のお姫様みたいっ!」
永倉さん、平助くんが興奮気味に言う隣で。
「……」
一さんは、目を見開いたまま固まっている。
「なんだ一?
遥ちゃんが可愛すぎて、言葉も出てこねえってか?」
原田さんが肘で一さんの背中をどつく。
「ち、違う」
顔を赤くしながら、バッと顔を反らす。
「俺ははるを可愛いなんて一言も……!」
言いながら顔を上げる一さんと、ふと目が合った。
「いや、でも可愛くないってわけじゃなくて……。
その…似合ってるよ」
目を細めると、優しげな笑顔を見せてくれた。
「褒めすぎです」
一さんも、皆も。
なんか照れちゃうよ。
左手で右手の袖をきゅっと掴みながら、うつむいていると、手を取られた。
「むしろ褒め足りないですよ」
声が聞こえて下を向く。