遥か~新選組桜華伝~
桜華石に宿りし三つの力……
一、時空を移動する力
二、生命を奪う力
「じくうをいどう?せいめいをうばう…?
うぅー!むずかしくてわかんないよぉ」
首を傾けながら、眉をハの字にする私。
お兄さんはクスッと笑い、頭を撫でてくれた。
「未来や過去の世界に行ったり、誰かを殺しちゃったりできる力だよ」
「ううー。なんかこわいね」
「じゃあこれはどうかな?」
お兄さんは私の手を太陽にかかげた。
光を透かして、手のひらの中の石が輝きを放つ。
宝石のようにきらきら、きらきらと。
「すごぉい!」
はしゃぐ私は石から目が離せない。
お兄さんは目を細めると話を続けた。
「桜華石が持つ三つ目の力はね……」
「わぁあっ!きれいっ!!」
石の角度を変えては歓声をあげる私。
話の続きなんてまるで聞いてない。
お兄さんは小さくため息をついた。