遥か~新選組桜華伝~
「やっ……!!!!」
思わずギュッと目を瞑る。
キィーン!!!
刀のぶつかり合う音が耳に響いた。
振り下ろされたはずの刀を受け止めた音……
え……?
なに……?
おそるおそる目を開けた。
どういうこと……?
目の前に見えたのは、1人の男の姿。
黒より淡い長髪を一つに結び、無造作に広がる前髪。
横顔からでもわかる、
整った顔立ちをした色白の美少年。
私を斬ろうとした男の刀を受け止めている彼も、同じ浅葱色の羽織を着ている。
誰……?
「敵かもわからないくせに、怯える女子に刀を向けるとは何事だ」
残酷なまでに凍り付いた瞳。
「お、沖田隊長っ!!!
すみませんでした!!!」