遥か~新選組桜華伝~


私も手伝わなきゃ……!


急いで怪我人たちのもとへ行き。手当てに取り掛かった。


「いっだあああ!はる!痛いって!」


「平助くん!ごめん、もうちょっと我慢して!」


近藤さんや沖田さんと一緒に池田屋に突入した平助くんは、頭に大怪我を負った。


池田屋で意識を失っていた彼は、喀血していた沖田さんと同じで、一時は危険な状態だった。


二人は別室に隔離され、平助くんが目を覚ましたのは今朝のこと。


命に別状がなくて良かったけど、治るまでは時間がかかりそう……。


「うぅ…。あまり痛くしないでくれよ」


ギュッと目を瞑って、手当てが終わるのを待つ平助くん。


なんだか病院で注射を我慢する子供みたい。


それが可愛らしく見えて、自然と笑みが零れた。


「はい、終わったよ」


包帯を巻き終えると、平助くんは触って確かめて笑顔を浮かべる。


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