遥か~新選組桜華伝~
けれど、沖田さんにはもっと自分のことを大事にしてほしいよ……。
「拗ねないでくださいよ。
まぁ…でもちょっと肌寒い気はしますね」
むうっとする私に対し、沖田さんは顎に手をあてる。
「そうですよ!
だからこの羽織は沖田さんが……きゃっ!」
羽織を脱ごうとした瞬間、正面から抱きしめられた。
「あの……」
「それは遥さんが着ていてください。
僕はこうやって温まりますから」
ぎゅううと抱きしめられて、体温が一気に上がっていく。
「お、沖田さん……」
「ふふ、遥さん……あったかい」
「誰かに見られちゃいますって……」
「別にやましいことはしてませんよ。
恋人なんですから、触れたいって思って当然でしょう」