遥か~新選組桜華伝~
「総司テメェ…」
土方歳三は鬼の形相で呟く。
けれど。
それに構うことなく、沖田さんは心配そうに私を覗き込んでくる。
「大丈夫ですか?髪や服が乱れちゃってますね」
そう言いながら襟元を直してくれた。
「あ、ありがとうございます…」
男の人に慣れてないせいか、それだけでちょっぴりドキドキしてしまう。
「気にしないでください。
…でも遥さん、その光はなんなんです?」
「へっ?」
沖田さんに言われるがままに視線を落とす。
と、いつの間にか首に赤い紐がかかっていて。
そこに通された石が桜色に輝いている。
この光はもしかして……
「……桜華…石?」
そっと石を手に取った瞬間───・・・
カッ────!!!!