遥か~新選組桜華伝~


強い桜色の光が放たれ、周りを竜巻のような風が渦巻く。


ブワァアァッ────!


障子や掛け軸が宙に舞う。


激しい風に立っていることさえできなくて


「きゃああっ!」


バランスを崩した体が後ろに倒れていく。


「遥さん!」


とっさに沖田さんが私の肩を引き寄せた。


「大丈夫ですか!?」


そう言って、私が転ばないように肩を支えてくれる。


「は、はい…っ」


彼がのおかげでなんとか立っていられる状況。


ますます強くなる風は、壁や柱さえ吹き飛ばしそうな勢いだ。


「…っく。次から次へと…どういうことなんだよこれは!」


腕で目元を覆いながら、土方歳三が呟いたとき…


「ふっ」


突然。


「さすが桜華石に選ばれし少女の力。まさかここまでとはな…」


どこからか聞こえた低い声。


「…誰だっ!?」


叫びながら土方歳三が振り返った。


その視線の先──・・・

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