遥か~新選組桜華伝~
「おい貴様。
言っている意味がわからねえ。どういうことだ?」
土方歳三が遥空を睨み、冷たく問いかける。
遥空がニヤリと笑うのが見えたかと思うと
「…きゃっ!」
思いきり肩を抱き寄せられた。
「桜華石の力を解放し、この娘を150年先の未来からタイムトリップさせた。
…とでも言えばわかるか?」
「てめぇ…!
からかってんのか!?信じられるわけねえだろ!」
土方歳三が声を荒げる。
けれど
「別に信じてくれる必要はない」
遥空は冷たく言い放つと、私を見下ろしてくる。
「俺は野望を達成するために、遥の力を借りに来ただけだからな」
「えっ?」
野望って…?
ポカンと遥空を見つめた。
「ふっ…」
遥空は怪しげに微笑むと、
私の両肩を掴む──・・・
「桜華石に選ばれた少女よ。
その力でこの国の歴史を変えてほしい」