遥か~新選組桜華伝~
え……?
「歴史を…変える…?」
私がこの国の…。
「どういう…ことですか?」
思わず問いかける。
「簡単に言えば、殺してほしいんだ。
開国を阻む幕府の犬共をな」
「……殺すって…」
私が……?
「ほ、本気で言ってるんですか?私にそんな力があるわけないじゃないですか!」
肩を掴む手を振り払おうとすると、手首を強く掴まれて
ドンッ
「…やっ!」
背中を壁に押し付けられた。
「何寝ぼけたことを言ってる」
じりじりと顔を近づけられる。
「おまえが桜華石に願えば、百人…いや千人の命を一瞬に奪うことができるだろう」
そう説明する遥空は狂気に満ちた表情をしていた。
桜華石に命を奪う力があるなんて…。
そんなの…
「…嫌です」
私は遥空の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「たとえ私に力があっても、人殺しなんて絶対にしたくありません!」