遥か~新選組桜華伝~
「さて、話もついたところで…」
土方歳三が切り出す。
「おまえが未来から来た事実はここにいる奴らだけの秘密だ。
絶対口外しないように」
「はい」
「それで、おまえの今後の扱いだが…山崎の助手として医療班に入ってもらう」
山崎さん?医療班?
?マークを浮かべ、首をかしげる。
「確かに山崎の元だと安心だな」
近藤さんが顎に手をあて頷くと
「うちは医者が足りなくてな。
怪我した隊士の治療を手伝ってほしいんだ」
そう説明してくれた。
医者って……。
私が通ってるのは看護学校なんだけどな…。
未来において、医者と看護師では仕事の内容が全然違う。
それでも。
手当ての仕方くらいなら学校で勉強したし、この時代のお医者さんよりは知識もあると思う。
ここに置いてもらうんだもん。
私だって役に立ちたい。
「…わかりました。頑張ります」
もう一度深くお辞儀をすると、土方さんがフッと息を漏らした。