遥か~新選組桜華伝~
「あ、ありがとうございます」
永倉さんに原田さん…
二人を交互に見つめていると
「左之助てめぇ、何かっこつけてんだ!
最初に遥の部屋を覗こうって言ったのはてめぇだろ!」
永倉さんが原田さんの肩を掴んだ。
「ここでその話を持ち出すか?普通に考えて話に乗ったおまえも同罪だろ」
原田さんがあしらうように、永倉さんの手を払う。
「う、うるせえな…!」
永倉さんがバツの悪そうに言ったとき。
「原田さんの言うとおりだと思います」
後ろから沖田さんの声が聞こえた。
振り返ると、沖田さんは相変わらず恐ろしい笑顔を浮かべていて……
「女子の部屋を覗こうなんて…
例え幹部のお二人でも、許されませんよね」
「総司…っ!」
怯えたように二人が後ずさる。
沖田さん…怒ってる…!