遥か~新選組桜華伝~


「あ、ありがとうございます」


永倉さんに原田さん…


二人を交互に見つめていると


「左之助てめぇ、何かっこつけてんだ!
最初に遥の部屋を覗こうって言ったのはてめぇだろ!」


永倉さんが原田さんの肩を掴んだ。


「ここでその話を持ち出すか?普通に考えて話に乗ったおまえも同罪だろ」


原田さんがあしらうように、永倉さんの手を払う。


「う、うるせえな…!」


永倉さんがバツの悪そうに言ったとき。


「原田さんの言うとおりだと思います」


後ろから沖田さんの声が聞こえた。


振り返ると、沖田さんは相変わらず恐ろしい笑顔を浮かべていて……


「女子の部屋を覗こうなんて…
例え幹部のお二人でも、許されませんよね」


「総司…っ!」


怯えたように二人が後ずさる。


沖田さん…怒ってる…!

< 60 / 276 >

この作品をシェア

pagetop