遥か~新選組桜華伝~
「あのっ私は大丈夫ですから…」
消え入りそうな声で呟くと、沖田さんは小さくため息をついた。
「今回は遥さんに免じて見逃しますけど…。
次彼女に手を出したら、本気で怒りますよ」
「わ、悪かったって!すまん!」
永倉さんが平謝りして、なんとかその場は収まった。
「…けどよ」
原田さんが沖田さんに視線を向ける。
「総司が女子を気にかけるって珍しくねえ?」
「確かに…。総司の奴、遊郭誘っても付き合い悪いし。
もしかして遥って総司の恋人なの?」
永倉さんが問いかけた。
ちょっ…永倉さん…!
いきなりなんてこと聞いてるの…!
急に顔が沸騰したように熱くなる。
「違いますよ。遥さんとは今日出会ったばかりですから」
そ、そうだよね…!
私ってば何焦ってるんだろ。