遥か~新選組桜華伝~
原田さんの後について医務室へ急ぐ。
部屋の前まで来ると…
「うっ!うわぁああ!」
襖の向こうから悲鳴のような声が聞こえてきて、肩がビクッと跳ねた。
「すごいな…」
原田さんが苦笑いしながら呟く。
こんな叫ぶほどの怪我なんて…。
斬り合いだもん…!重症なんだ…!
「大丈夫ですかっ?」
慌てて襖を開けると見えたのは…
「いたたたっ!も、もう勘弁してください…山崎さん」
「ダメですよ。この薬は傷にすごく効くんです。
ちゃんと塗らないと…」
「ま、待っ!ぎゃあああ!」
隊士の切り傷に薬を塗る山崎さんの姿。
い、痛そう…。
怯えた顔で絶叫する隊士を見て、私も原田さんも呆然となってしまう。
怪我人は…?
部屋を見回すと…腕や背に傷を負った隊士が数人ほど座っていた。