遥か~新選組桜華伝~
四 オオカミだらけの宴!?
*
*
*
*
*
コンコン
副長室の襖をノックする。
「土方さん、入ります」
部屋に入ると、奥に正座していた土方さんが顔を上げた。
「…遥か。どうした?」
そう聞いてくる土方さんの手には刀とそれを拭く白い紙。
どうやら刀の手入れ中のようだ。
「作業中にすみません。
実は…土方さんにお願いがあって来ました」
「言ってみろ」
土方さんは作業の手を止めると…こちらを見つめ静かに言った。
ドキ…
鋭い視線に見つめられるだけで音を立てる心臓。
やっぱり緊張するけど…。
ギュッと握った手を胸に当て、土方さんを真っ直ぐ見つめた。
「私を…巡察に同行させてほしいんです!」
「……っ」