遥か~新選組桜華伝~
ドキ……。
また心臓が音を立てた…。
「…わかってるって。
おまえにそんな度胸があるとは思えねぇからな」
目を細め…意地悪な笑顔を浮かべているのが見えた。
「…っ!」
からかわれてるし…!
「も、もう…!」
恥ずかしくなって目を逸らす。
けれど、土方さんはずっと私の顔を見つめたままで…。
「おまえを守ると約束したんだ。
もし遥空が攻めてきても、守れるような奴じゃなきゃダメだってことだ」
強い口調でそう言うんだもん……。
かぁあっと一気に顔が熱くなるのを感じたんだ。
「……っ」
火照った顔を見られたくなくて、くるっと背中を向ける。