忘 恋

翔君と、リビングで話をしていたら
留衣が、お風呂から上がってきて
ソファに座ったから
水分をあげて、
また、翔君て話してたけど
翔君が、コクン、コクンと
眠り出したから、
ベッドへ運んで、戻ると
不機嫌な留衣が‥‥‥

「なに?」
「‥‥‥‥‥‥‥。」
「なんなの?」
「‥‥何って‥‥翔とばかり、話して。」
「なっ、なに、言ってるの?」
「なにって、気持ちを言っただけ。
      お前は、俺のだろ」
「私は、私のものよ、それに、
あなたは、私を捨てたじゃない」

「だから。
俺はあの時、俺の心を捨てた。
俺の心は、お前のものだから。
でも、あの時のお前の顔を忘れる
ことは、なかった。

心にもないことでも、
雫を傷つけてしまった。
すまなかった。

俺は、俺の会社の社員と
その社員の家族を守らないと
行けなかった。
自分一人幸せになって‥‥‥
なんて、出来なかった。

雫が、楽になるように、憎まれて
嫌われた方がいいと
思ったんだ。

雫が、ここを出て行った時に
同時に、俺は、心を捨てた。
俺は、雫しか愛せないから」
と、言った。
すると、雫は、
「でも、翔君は、あなたとルナさんの」

「ルナを愛したこともない、
話をしたこともだ。

親父とルナが結託して
俺が酔っぱらった日に
この部屋の鍵を開けて、
勝手に入って来やがった

この部屋は、俺と雫の
思いでの部屋だから、
鍵ももちろん、他の奴を入れないのに
酔ってる俺の服を脱がし
俺は‥‥‥お前と間違えて抱いて
しまった。
その、一回で、出来た‥‥すまん。」

雫は、複雑な気持ちで
返事が、出来なかった。

「汚いか?
俺なんか、もう嫌か?」
と、黙る雫に訊ねる

「そんなこと、思わないよ。
まあ、私と間違えたとか
ちょっと、複雑だけどね。」
と、雫は言った。
< 29 / 72 >

この作品をシェア

pagetop