忘 恋

「でも、あんな形で、お前を切った
俺を許せないよな?」

「そうだね、あの時は、
すごく、傷ついたけどね。

それでも、私は、留衣を
忘れることができなかったから。

でも、留衣?
また、私と一緒にいても
お父さんから、反対されるよ。
私、同じ事があったら
立ち上がれないから。」

「そんなこと、させねぇ
あの時の俺と、今の俺は違う。
実績も積んでる。
もし、また、親父が同じ事
言ったら、その時は
会社を捨てる、何もない俺でも
雫は、一緒にいてくれるだろ?」

「そりゃ、なんでも、
留衣は、留衣だからね。

でも、お父さんが、なんか言ったら
なんでも、言ってよ。
先ずは、相談して。」

「ああ、約束する。
    だから、こい。」
「えっ、留衣、風邪引いてるじゃん。」
「雫が、そばにいたら治る。」

手を引っ張られて
留衣の膝の上に座らされて
抱き締められ‥‥
顔中に、キスをふらせ
おでこ、瞼、鼻、頬
そして、唇に‥‥‥
唇をトントンと‥‥開けろと
少し開くと、留衣の舌が入ってきて
私の舌を絡められて、吸い上げられ
「ぅん‥‥‥‥ん」
「雫、お前、西野とは‥どこまで」
「うん?純‥何もない。」
「はぁ?、まじで?」
「うん、一年試しに付き合って、と
言われたけど、二人であったこともない。」
「良かった、何かされていたら
あいつを殺しかねないから。」

「もう、純に何もないしないでよ。」
「他の男の心配すんじゃねぇ。」
と、口をまた、塞がれて

留衣が、聞いたんじゃんと
思うが、キスに思考をもっていかれて
留衣の首に腕を回して
抱きついた。
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