忘 恋
仕事が終わり、帰ってから
準備して待つと、留衣と翔君がきた。
「行くぞ。」
「うん。わかった、行こう。
わぁ‥‥緊張するな。」
「大丈夫だ、俺が一緒だ。」
「うん、ありがとう。」
「ついたぞ。」
「大きな、お家。」
「ほら、行くぞ。」
ピンポーン‼
「はぁーい、いらっしゃい」
「はっ、始めまして天野雫です。」
「始めまして、留衣の母の美紗です。
御上がり下さい。」
「はい、お邪魔します。」
「翔も、元気だった?」
「うん、おばあちゃま。」
「ほら、ぼぉーっと、するな。」
と、手を引かれた。
リビングに行くと
年配の男の人と、
心咲さん、男性が座っていた。
翔君が、
「あっ、けんちゃん、大丈夫?」
と、心咲さんの旦那様の健吾さんに言うと
「うん、心配かけたね、翔。」
と、健吾さん。
「おじいちゃま、こんばんわ。」
と、翔はお父様に挨拶をすると
「翔も、雫ちゃんも座って。」と、心咲さん。
「はい。」・「うん。」
と、答える私と翔君。
「親父、母さん、雫だ。
俺は、雫と結婚するから。
義兄さん、姉貴も頼むな。」
と、留衣
「始めまして、天野雫です。
宜しくお願いします。」
と、挨拶をするが······
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
お父様は、黙ったまま······
すると、お母様( 美紗 )が
「あなた?」
と、いささか語気を上げていうと
「ああ、留衣の父親の信だ。
前は、君と留衣を引き離して
すまなかった。
今後は、そんなことないから
安心して、高野に来てくれて。」
と、お父様( 信 )。
「ありがとうございます。」
と、雫は頭を下げた。
「はい、あなた良く出来ました。
雫ちゃん。
前回は、本当にごめんなさいね。
謝ってすむ話ではないけど
許してね。」
と、お母様に言って頂いたから
「とんでもないです。
当時は知りませんでしたが
再会して、留衣さんから聞きまして
留衣さんの社員さんを
思う気持ちもわかりましたから、
あっ、カッコいいこと言いましたが、
あの時は、二週間入院
しちゃいました。あはは。」
と、言うと。
お母様は、涙を流されて
心咲さんと留衣は、お父様を睨んでいるし
「あっ、そんなつもりでは‥‥」
あたふたする私を見て
お兄様と翔君が笑いだして
それで、場が和んだ。