忘 恋
あれから、一週間後
俺は、雫に連絡して
一緒に、飯を食べる約束した。
相変わらず、雫は良く食べた。
雫の食べっぷりを、見ていると
楽しくなる。
そのくせ、見た目は痩せている。
「なあ、雫、お前、
ちゃんと、食べてるのか?」
「食べてるよ。でもさ、
自分が、作るより美味しいじゃん。
人が、作ると。」
「へえ、雫も料理するだ。」
「当たり前、毎回外食していたら
破産するよ。」
「まぁ、そうだな。
いっぱい、好きなもの食べろ。」
「うん、ありがとう。
留衣も食べなよ。顔色悪いから。」
「ああ、ありがとう。」
と、言ったが‥‥
なんか、こいつといると
調子くるう。
俺が、人にお礼を言うなんて。
だが、
なぜだか、雫の隣は、
居心地が良かった。
それから、何度か
雫と飯に行った。
雫は、なにも言わずに
一緒に食べてくれた。
そんなとき、俺は体調を崩し
風邪を引いてしまった。
一週間も、連絡をしなかった事が
なかったから、
雫から、初めて電話があった。
俺の声を聞いて、
びっくりした雫は、
直ぐに来てくれた。
雫にお粥を作って貰い
着替えをさせられ、
シーツを変えられ、
薬を飲むように言われるが、
俺は、薬が飲めない。
だから、
風邪をひくと毎回、長引かせる。
薬が飲めない俺に
雫は、色々試したが、
何をやってもダメで
終いには、雫から目を閉じるように
言われ、その通りにしたら、
雫は、自分の口に薬をいれて
俺に口移しで飲ませた。
びっくりして、俺は飲み干した。
「ほら、飲めたね。」
って、雫が言ったから
「お前な、びっくりするだろ。」
「だって、留衣が薬、飲めないんだから、
仕方ないじゃん。なんか、
テレビで見たことあったから。」
と、言うから
「あぁ‥でも、ありがとう。」
と、言って、キスのお返しをした。
雫は、びっくりしていたが‥‥
「雫、俺、お前が気に入ってる
俺と付き合ってみないか?」
「えっ、私?
私で、いいの?」
「お前が、いい。」
「留衣が、いいなら、私は‥‥
宜しくお願いします。」
「ああ。」
と、言って、また雫にキスをした。
雫は、
「もう、さっきした。」
と、赤くなっていた。