忘 恋
雫‥‥サイド
あんたが、告白したんじゃない
あんたが、私でいいと言ったんじゃない
あんたが、私を愛してるって、
言ったんじゃない
あんたが、言うから、私もあんたを
愛したんじゃない
なんだったのよ、私は‥‥‥
私は、あなたのなんだったの?
私は、おもちゃ?
私は、遊び相手?
雫は、心が、引き裂かれるようだった。
毎日、泣き続け‥‥
大学に来ない雫を心配して
芹香が、尋ねた時に
雫は、顔を真っ赤にして、
床に倒れていた。
芹香は、直ぐに、
救急車をよんだ。
雫は、肺炎を併発していた。
食事もしてなかったらしく
雫の胃の中は、空っぽだったと
先生から‥‥言われた。
雫の両親にも、連絡し
肺炎のことだけをつたえた。
三日間、雫は、意識が戻らず
熱も高いままで、ひどく苦しんだ。
芹香は、恋人の留衣に電話したが
留衣の電話は、解約されていたため
留衣と何かが、あったと解った。
雫のお母さん、ゆきさんは、
必死で、看病していた。
でも、お父さんの仕事もあるから、
雫が落ち着くと
私に看病を任せてもらった。
私達の同級生で
雫を好きだった西野純は、毎日
顔を見に来ていた。
雫は、意識は戻ったが
まだ、寝てる方が多かった。
きちんと会話できるように
なったのは、10日ほどたってからだった。
その日も病室にきていた、
西野が帰ってから
雫は、経緯を話してくれた‥‥‥
私は、怒りでワナワナふるえながら
雫を抱き締めて
二人で、泣いた。
許せない、高野留衣‥
あんただけは‥‥
二週間後、雫はやっと退院し
少しずつ、元の雫に
戻っていった。
その間、西野はずっと雫の
そばを離れなかった。