【短】アイツの秘密
「大丈夫でしょ!」

苦手だけど、そんなに悪い人には見えないし!

『人は見かけによらない』

奏多は、そう呟くとさっさと席についてしまった。





『人は見かけによらない』





なにそれ…。

奏多は、楓先輩の何かを知ってるの?





私は、全然授業に集中できなかった。

気になって、気になってしょうがなかった。









「佐藤!」

放課後、廊下を歩いているとかばじぃに呼び止められた。

「なんですか?」

「お前、今日の日直だよな?」

「まぁ……」

「これを生徒会室まで、持って行ってくれないか?」


かばじぃの腕には、たくさんの本が積み重なっていた。


生徒会……。


「嫌です。」

それ、重そうだし。朝、奏多が言ってた言葉が気になるから。

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