【短】アイツの秘密
「はっ?誰だよそれ」

「先輩に教えてなにになるんですか?」

「そいつボこる」

「じゃぁなおさら教えませんよ。それに私先輩みたいに簡単にボこったりする人大嫌いです……」

先輩が私を睨んできた。




「この俺に“大嫌い”なんて言った女初めてだよ、さすが俺が認めた女だよあんた」

「はっ?認めなくていいんですけど!!」

先輩の、私の背中あたりに絡みついた腕を離そうとしたけど、なかなか離れない………。

「………」

先輩が細くした瞳で私を見てくる。

「なんですか?」

私も細くした瞳で、先輩を見返した。

「……はぁ…もうやめっ!」


はい?

先輩が私の上から離れて、近くのソファに腰かけた。


「あっ……あの…」

「なに?」

「……なんですか?もうやめっ!って…」

意味がまったくわからない私は、首を傾げた。

「そのまんまだよ、お前もういいや!最初から俺はお前なんて興味なかったし。ただ……ただ…アイツをムカつかせたくて、お前を襲えばって思っただけ」

「奏多と…どういう関係なのよ」

「さぁ……それはアイツに聞けばいい…」
< 30 / 42 >

この作品をシェア

pagetop